ableton liveといえば電子音楽・クラブ系のイメージだと思います。
たくさんの専用コントローラが各社から出されているので、それを使えばリアルタイムで素早く曲を作ることができます。
この記事では、abletonで使うことのできるコントローラとシーケンサを合計8機種紹介していきます。
ハードウェア
Push 2
Push2は、liveの開発元であるabletonが専用のコントローラとして開発したものです。
最大の特徴はソフトとの完全な統合。
プロモーションビデオを見てもらえば分かるように、Push2さえあれば、マウス&キーボードを一切使わずに製作を行うことができます。
独特なパッドが格子状に配置されており、メロディ・コード ドラム シーケンサ といった複数のプレイスタイルを自由に切り替えて演奏することができます。
また、Push2の大きな利点の1つとして、Push2のロータリーエンコーダと、LCDディスプレイに表示されているパラメータが対応しています。いちいち手書きのメモをコントローラに張るのは面倒ですが、 Push2はそれを全部自動でやってくれるようなものです。
ネックは値段。
新品で8万以上、中古でもほとんど下がらず、安くても6万。それでも「abletonに首ったけ」な人は買えば幸せになるでしょう。
APC 40 mkII
こっちもableton live専用のコントローラです。
Pushよりグリッドが狭い分、フェーダーやエンコーダが多いですね。デフォルトでは、右側の二列のノブがliveのマクロ、上部のノブがトラックごとのPANにアサインされています。
カスタマイズ性はPush2よりも高いです。自分でコントローラ用のスクリプトが書ければ何でもできますし、他の人が公開しているのを使うこともできます。(スクリプトはPythonで書けます)
あとはPush2よりはるかに小さくて軽いです。わりとプラスチックな感じで安っぽいですが、外に持ち出すのは苦ではないはずです。(私の持ってる初代はゴツくて頑丈ですが重いです・・・)
Push2よりは全然安くて、新品で3万5000円ほど。
Launchpad Pro
Launchpadの特徴は、グリッドパッドでの操作がメインということ。見ての通りフェーダやノブはありません。
DAWのコントロールというよりクリップの再生や演奏が主な機能です。(一応フェーダーもコントロールできますが・・・)
Launchpadシリーズには「mini、無印、pro」の三種類があります。
実際に使ってみた感想としては、無印以上を買うべきです。違いは色々ありますが、miniは肝心のパッドの質が悪いです。パッドというよりはボタンという感じで、リアルタイムで叩いて演奏できるものじゃありません。(押し心地も悪いし、チャタリングが酷いです)
無印は機能的にはminiと大きく変わりませんが、mkIIからは表示できる色が増えて視認性が高くなりました。
Proは再生や録音などのコントロールも充実し、よりPushに近い操作が可能です。また、パソコンを介さずにmidiを直接出力することも可能です。
nanoKONTROL 2
上記3つはableton liveの操作のために開発されたものですが、当然それ以外の汎用デバイスも使うことができます。
abletonはMIDIマッピングがすごくやりやすいです。
このボタンを押すとフェーダやボタンが青く光るので、あとは「1.アサインしたいコントロールをクリック 2.フィジコンのノブ・フェーダを動かす」の2ステップでアサイン完了です。
使うコントローラはmidiさえ出力できればなんでも大丈夫。korgのnanoKONTROLは安くていいですね。
ソフトウェア
上のは全てハードウェアですが、iOSアプリにもいろいろなコントローラがあります。
LogicのLogic Remoteなんかも有名ですが、abletonにも(非公式ですが)専用アプリがあります。
Touchable Pro
私が持っているのはTouchable 3ですが、Proとして生まれ変わりました。(生まれ変わらずにそのままアップデートさせてほしいですが・・・)
基本的にableton本体でできることはTouchableから何でもできます。
接続はwifiとライトニングケーブルのどちらでも可能。つまり、ベッドで寝転んだままiPadからliveを操作できるということです。
しかし弱点として、確かに機能的には化物じみているんですが、高機能な分レイアウトがキツキツで非常に見にくい・使いにくいです。(というか、単純にUI/UXをそこまで重視していないようです)
また、Proでどうなったかはわかりませんが、3の頃はバグも多くて頻繁に落ちました。3はapp storeから消えていますし、さっさとサポート打ち止めでProに移行ですかね?
iPhoneでも使用可能ですが、iPadは必須だと思います。
Lemur
Touchableはableton専用ですが、Lemurは汎用のコントローラです。
専用の開発ツール(デスクトップ用)を使ってUIから機能まで自分好みにカスタマイズできます。
それが面倒な人でも、ableton用のテンプレートが最初から用意されているので、自分でゼロから作る必要はありません。
自由度は高いですが、実際に動かすのは少々知識が必要です。
「買ったのに使えない・・・」となる可能性があるので、パソコンやMIDIの知識がない人はTouchableの方がいいでしょう。
シーケンサ
ここからはコントローラというよりはシーケンサですが、
同じく興味を持っている人が多いと思うので紹介しておきます。
Beatstep Pro
この動画ではBeatstep ProをKorgのVolca Sampleというサンプラーにつないで演奏していますね。
もちろんパソコンに接続してabletonのドラムラックをリアルタイムでシーケンスすることも可能です。(設定はちょっと面倒ですが・・・)
またドラムだけでなく、エンコーダを使用してピッチを変えることもできます。
PushのようなDAWのコントロールというより、リアルタイムな演奏を重視している人にオススメです。(CVアウトにも対応しているのでアナログシンセも演奏可能)
Korg SQ-1
こちらは伝統的でシンプルなステップシーケンサ。できることは合計16ステップのシーケンスだけです。
16を半分に割ってA・Bの2Chに出力することも可能。CVに加えてMIDI出力も可能ですが、その場合は当然「スライド」はできません。
ソフトシンセを鳴らすのも面白いかもしれませんが、どっちかというとDAWと同期して外部音源を鳴らす使い方の方が向いていると思います。
私は主にこれでアナログシンセを鳴らしています。半分をフィルターなどのモジュレーション、半分をピッチに挿すとおもしろいですよ。