オーディオインターフェイスって種類が多すぎるし、似たような形だから何が違うのかわかりにくいですよね。
この記事では、まずは「何を基準にオーディオインターフェイスを選ぶべきか」を解説した後、おすすめの機種を10個紹介していきます。
オーディオインターフェイスの選び方
音質
もちろん製品によって音質に差があります。
「音質」というのは、「録り音」と「出音」の両方を指します。
出音 : スピーカーやヘッドフォンから聞こえてくるときの音
「録り音」の差はわりと分かりやすいですが、「出音」の差は微妙です。
この記事を読んでくださっている方は多分そこまでの経験者じゃないはずなので、考慮するなら「録り音」の方だと思います。
1万円以下のインターフェイスだと、録り音のノイズや音の歪みが気になることも結構あります。
この記事でも「数千円」の機種を紹介していますが、特に楽器の生録音を考えている方は「1万円以上」は最低限出した方がいいです。
チャンネル数
「チャンネル」にも「入力チャンネル」と「出力チャンネル」の2種類があります。
スマホでいうと、イヤフォンを挿す端子が「出力チャンネル」ということになりますね。
出力チャンネル: スピーカーやヘッドフォンを挿す端子
ふつうのDTM用途だったら、「スピーカー出力+ヘッドフォン出力」さえあればいいので、出力チャンネルが足りないということは多くないはずです。
しかし、
というような人は、できるだけ入力チャンネルが多い機種を選んだ方がいいです。
サイズ・持ち運びやすさ
サイズ感も考慮した方がいいです。
ただ、人によってインターフェイスを使う環境は違うので、そのあたりは想定しておきましょう。
スタジオやライブで使う予定がある
できるだけコンパクトなモデルを選ぶべきです。
活動を続けていくうちに何だかんだで機材は増えていきます。
最近はモバイル用途に特化した機種も増えたので、そうしたものを買いましょう。
外に持ち出す予定がない
ある程度大きくても大丈夫のはずですが、部屋に機材が増えていくと「もっとコンパクトなモデルにしておけばよかった・・・」と思うかもしれません。
逆に「チャンネル数が足りなくなってきた・・・」となる可能性もあり得ます。
初めの想定どおりにはいかないと思うので、やはりいきなり高すぎる機種はやめておいたほうがいいかもしれません。
付属ソフト
大抵のオーディオインターフェイスには「DAW(=作曲ソフト)の機能制限版」が付属しています。
できればフル機能が使える製品版が欲しいですが、初心者がちょっと触ってみるには十分すぎる機能が使えます。
気になっているソフトがあれば、その機能制限版が付属している機種を購入して試してみてもいいと思います。
(※中古を買うとすでにライセンスが使用されてしまっている可能性があります)
初心者・低予算・入力チャンネル数2
機種をタイプ別に分けて紹介していきます。
まずは、「大半のDTM初心者が買って損はしない」モデルたちから。
「2万円以下」「最低限以上の性能・音質」で絞ってみました。
安くてもチャンネル数が多いものもあったりするんですが、性能に不安がある場合もあるため、「入力チャンネル数」はステレオ入力が可能な「2」のものを選びました。
Steinberg / UR22mkII
「Steinberg」というブランド名ですが、実質は「YAMAHA」です。
質実剛健な機種という感じで、味付けの少ない音質・頑丈な筐体が特徴です。
「Steinberg」ということは、あのCubaseというDAWのブランドですね。
Cubaseを使っている・使う予定の人は、URシリーズにしておけば、相性が合わなくて動作がおかしくなるということはないでしょう。
もちろん付属ソフトはCubaseの機能制限版です。
私自身もこれの上位機種(あとで紹介するUR44)を使っていて、かなり満足しています。
ただ、頑丈さゆえにちょっと重い(物理的に)かなという印象はあります・・・。
Roland / Rubix22
RolandもYAMAHAと同じく歴史ある国産メーカーです。
ちょっと古い記事なんかだと、「UAシリーズ」のオーディオインターフェイスがオススメされていることが多いですが、RubixはUAの後継シリーズです。
UAシリーズは(ネットの評判を見る限り)相当売れたので、Rubixにはユーザーのフィードバックがぎっしり詰まっているはずです。
デザイン上の特徴として、LEDの表示灯が上部に切れ込むように設置されています。
このおかげで、設置する場所によって「LEDが見えない!」なんてことは少なくなるわけですね。
付属ソフトはAbleton Liveの機能制限版です。
Rubix22はUR22mkIIの完全対抗馬という感じですが、どちらを選んでも満足できるはずです。
好みで選んでもいいのでは?
Focusrite / Scarlett 2i2 G2
上記2機種と違い、Focusriteは英国のブランドです。
確かに国産っぽくないオシャレなカラーリングですね。
Focusriteは基本的にスタジオ向けの高品位な製品を作っており、Scarlettはその技術を低価格で体験できるインターフェイスです。
本体の特徴ではないですが、付属ソフトの豊富さも魅力です。
- Ableton Live Lite
- Pro Tools | First Focusrite Creative Pack
- Softube Time and Tone bundle
- Focusrite Red Plugin-Suite
- Novation Bass Station
- Addictive Keys
特にAddictive Keysは人気のあるキーボード音源で、単体で買うと数千円はします。
レコーディングのスタンダードであるPro Toolsが付属するにもうれしいですね。
チャンネル多め
上で紹介した機種の多チャンネルバージョンです。
基本的にはチャンネルが多くなっただけですが、ところどころプラスアルファの機能が追加されていたりします。
ご自分の用途に合わせて検討してみるのが良いと思います。
(※これらよりもさらに巨大なスタジオ向けモデルもありますが、ここでは取り上げないことにします。)
Steinberg / UR44
UR22mkIIには無かったDSPエフェクトが搭載されています。
Roland / Rubix44
Rubix22には無かった内蔵コンプレッサーが搭載されています。
Focusrite / Scarlett 18i8 G2
ギタリスト・モバイル向け
今までに見てきたのは「据え置き型」の製品ばかりでしたが、より「携帯性」に優れた機種もあります。
特にギタリスト・ベーシストを対象に、最小限の機能のみ備えたインターフェイスもいくつかあります。
IK Multimedia / iRig HD 2
IK MultimediaといえばAmplitubeというアンプシミュレータが有名ですね。
見ての通り、ほとんどギターとヘッドフォンを挿すことのみに特化したモデルで、手のひらに収まるくらいの小型サイズです。
それこそポケットに入る大きさなので、「出先でちょっとだけ録音したい」なんていうときに便利ですね。
LINE6 / Sonic Port VX
こちらもほとんど同じようなコンセプトの製品です(こちらの方が古いですが・・・)。
メーカーはPODで有名なLINE6。
ライブがメインのギタリストには馴染み深いかもしれません。
APOGEE / One for Mac
こちらもモバイル用ですが、ギタリスト向けに特化しているわけではありません。
むしろ「どこでもスタジオクオリティの音質を」という感じですね。
値段はかなり高いですが、高音質のインターフェイスを常に持ち歩きたい人にはオススメです。
(※「for Mac」とついていますが、アップデートによりWindows 10に対応しています)
高音質・チャンネル少なめ
という人は、以下のような機種なら(価格的に)ギリギリ現実的かと思います。
RME / Babyface Pro
「とにかく高音質」ということに定評のあるインターフェイスです。
「2〜3万円台の製品には戻れない」なんていう声はよく聞きますね。
はっきり言って初心者がいきなり買うことは別にオススメしませんが、まあ、こんなのもあるという感じで・・・。
余談ですが、宇多田ヒカルさんも使っているみたいですね。
まとめ
オーディオインターフェイスのラインナップは膨大です。
大体の製品は「○○シリーズ」という感じで、チャンネル数なんかが細かく選べるようになっています。
人によってぴったりのモデルは違ってきますので、この記事にある製品の「ここがちょっと自分に合わない・・・」と思ったら、そのシリーズの別モデルを探してみましょう。
でも種類が多すぎるし、何がなんだかわからない・・・