DTMを始めてある程度すると、音源に不満が出てくる人もいると思います。
特にドラムはポピュラー音楽の土台みたいなものなので、ドラム音源がしょぼいとどうしようもなかったりします・・・。
というわけで、この記事では、生ドラム音源の中でも「四天王」と呼ばれる音源3つを紹介します!
BFD3 by FXPansion
良い点
「生々しさ」を追求した音
この記事で紹介している音源はどれもリアルですが、BFDはその中でも「生々しい」音質だといえます。
生々しいというのは、つまり「適当に鳴らしても良い音にはならないが、いじりがいのある音」ということです。
プリセットの出来があまり良くない(個人的にですが・・・)ということもあり、初心者が使ってかっこいい音を出すのは難しいかもしれません。
しかし、収録されているサンプル自体は「情報量の多い=濃い」音ばかりです。適切なマイク配分やエフェクト処理をすることにより、かなり自由度の高い音作りが可能です。
微妙な点
操作がわかりづらい
パッと見で操作がわかる人は少ないと思います。これはDTMの知識がどうとかいう話ではなく、単にわかりづらいだけです。
例えば、ドラム音源といえばオーバーヘッドやルームマイクの調整がしたいと思いますが、デフォルトでは「AmbMix」というよくわからないチャンネルしかありません。
オーバーヘッドやルームのフェーダーを出したかったら、四角で囲った小さな▼を押す必要があります。
これ、マニュアル読まないとわからないと思うんですけど・・・
動作が重い&バグっぽい挙動
高音質を実現するために動作が重くなるのはしょうがないんですが、ところどころ「これバグじゃない?」というような挙動も見られます(フェーダーがうまく動かなかったり・・・)。
ただ急に落ちたことは今のところないので、安定性に欠けるとは思わないです。
Superior Drummer 3 by Toontrack
良い点
解像度が高く整った音質
BFD並に情報量の多いサンプルが収録されていますが、もう少し「きれいに整った」感じの音質です。
これは「音を削っている」というよりは、めちゃくちゃ優秀なエンジニアが丁寧に録音した結果だと思います。
(とはいえ、個人的には雑味がないというか、味気ない印象も受けます・・・。)
「BFDとどちらが生っぽいか?」というと、「っぽさ」でいうならBFDかなと思います。
と言っても結局はどちらも打ち込み音源であることに変わりはありませんし、表現には限界があります。それよりも音質が好みかどうかで選んだ方がいいと思います。
微妙な点
容量がデカすぎる
サンプルの総容量は230GBです。
ドラム音源は最重要といっても過言ではないので、「高音質なら無問題」という人なら良いんですが・・・。
ストレージの容量はどんどん安くなっていますが、最近はラップトップでDTMをしている人もかなり多いと思います。内蔵SSDに230GBをブチ込むのはなかなか厳しいですし、外付けディスクだとしても決して小さい容量ではないですね。
いちおう、基本ライブラリの40GB程度だけをインストールすることも可能です。ただ、その場合はルームマイクなどが使えなくなります。
デモ版がない
ありません。
これは結構こまりますね・・・。高いお金を払ったのに、自分の環境で動くかどうか確認できません。
Addictive Drums 2 by XLN Audio
良い点
手軽
プリセットを選んでちょっといじればそれなりの音で鳴ってくれます。
音色のエディットも1画面に分かりやすく収まってますし、ストレスなく操作できます。
ライブラリ容量もBFDの10分の1以下なので読み込みが速いし、ストレージを占領することもありません。
微妙な点
音質でSDやBFDには勝てない
「音がリアルじゃない」というわけではないです。しかし、1つのドラムキットから作り出せる音の幅はあまり広くありません。
ひとつひとつのサンプルの情報量は、やはりBFDやSDには遠く及びません。サンプルに収録されていないものはエフェクトでもどうにもなりません。ADに「生々しい」ドラムサウンドを期待するのはやめて、オケ全体で迫力を出すことを目指したほうがいいです。
まとめ
「とにかく音質に妥協したくない!」 → BFD or SD
「手軽にそれっぽい音を出したい!」 → AD
BFDにするかSDにするかは、音の質感の好みで選びましょう。ちょっと荒い迫力が欲しければBFD、洗練された都会っぽい音が欲しければSDという感じです。