DTM初心者が機材をそろえたらやるべき練習

「DTMをはじめるために機材をそろえたけど、いったい何から手をつけていいのか分からない・・・」

こんな人は、まずは「楽譜をそのまま打ち込む」練習をするのが一番だと思います。

読んで字のごとくですが、自分の好きな曲の楽譜を買って、まるまるDAWで打ち込んでしまうということです。

なんだかつまらなそうに聞こえますよね・・・。

でも、そもそも最初のうちはDAWの操作すらおぼつかない状態のはずです。「MIDIってなに?」「ピアノロールってなに?」「テンポってどこで変えるの?」みたいな状態から、いきなりオリジナル曲を完成させようとするのはかなり大変です。

(実際、DTMで要求されるスキルは「DAWの操作」「作曲」「アレンジ」「ミキシング」「マスタリング」と、かなり幅広いです。)

練習の目的

  1. DAWの操作を覚える
  2. プロの曲作りテクニックを盗む
  3. DTMで曲を完成させる楽しみを知る

1.作曲をするわけじゃないので、DAWの操作を覚えることに集中できます。

2.作曲にはセンスも大事ですが、それ以前に「作曲のお約束」を知っているかどうかが重要です。センスがなくても、いろんな曲を聞いたり真似することでちゃんとした曲を作ることはできます。

3.いきなりオリジナル曲にチャレンジして挫折するより、たとえコピーでも「こんなかっこいい曲を自分の手で作れた!」という体験ができた方がいいです。

練習のやり方

① 好きな曲の楽譜を用意する

好きな曲ならなんでもOKです。

ただ「楽譜」と言ってもいろんな種類があるので、正しいものを選ぶ必要があります。

  1. 1パートだけ載った楽譜
  2. 全パート載った楽譜(スコア)
  3. アレンジされた楽譜

この練習で必要なのは2です。

1つの楽器(例えばギターだけ)しか載っていない楽譜や、ピアノ向けにアレンジされた楽譜なんかはここでは使いません。

2は「スコア(総譜)」と呼ばれ、その通りに打ち込みば原曲どおりの演奏になります。

例えば、スピッツのようなバンドだったら「バンドスコア」が出版されています。

逆に「EDM系の楽譜」はまず見かけません。(そもそも楽譜化しようがなかったり・・・)

できるだけ「自分の好きな曲」のコピーをするのが楽しいと思いますが、どうしても楽譜が見つからなければ妥協して別の曲を選んでください_(._.)_

② 楽譜を見ながら曲を聞く

DAWを起動して打ち込む前に、とりあえず楽譜を読んでおきましょう。

といってもクラシック演奏家のようにガチ読みするわけではなく、どんな楽器がどんな感じで使われているのか把握するのが目的です。

もちろん楽譜が読めない人も多いと思うので、音源を聞きながらなんとなく雰囲気がつかめれば大丈夫です。

楽譜の1パートがDAWの1トラックに相当します。

例えば一般的なバンド編成だったら、「ドラム、ベース、ギター1、ギター2、ボーカル」なので、トラック数は5ということになります。

ただ、実際にはもっと複雑な楽器編成の場合もよくあります。楽器の名前は楽譜の始めに書いてありますが、よくわからない場合はググって調べてみましょう。

打ち込みに必要な楽器の音源を持っていないときは、手に入れる必要があります。

最近はフリーでもいろんな音源があるのでなんとかなると思います。ただ品質がイマイチな場合があるし、何よりも探すのに時間がかかってしょうがないです。

フルバージョンのDAWなら総合音源が付属している場合が多いですが、そうでないなら総合音源を購入するのが手っ取り早いかなと思います。

③ DAWに打ち込む

ここから実際に「楽譜を読む」必要があります。

人によっては「楽譜」にかなりの苦手意識があると思います。でも、DTMをやるなら慣れておいた方がいいです。

Ableton Liveのピアノロール

DAWでは、上の画像のような「ピアノロール」をメインに編集作業をしていきます。

「楽譜=五線譜」よりは目で見てわかりやすいですが、やっていることは五線譜と大して変わりません。和音について勉強するときも五線譜が出てきますし、自分で作曲していく上では「武器」になるはずです。

最初のうちは、楽譜を読むのにもかなり時間がかかると思います。でも正確にやってさえいれば「プロ級の曲」がどんどんできていくはずなので、結構楽しいです。

別に理論的に分析をするとか、そういうことは全く考えなくて大丈夫です。何も考えずに打ち込んでいるだけで、自然と「こういうときはこうするとそれっぽい」みたいなものが身についていくはずです。

すでにギター・ベース・キーボードができるという人は、もちろん生録音しても大丈夫です。

注意点

ギター・ベースは「五線譜」と「TAB譜」の2つが併記されていることが多いです。

上が五線譜、下がTAB譜

同じ「ドレミファソラシド」でも、ギターでは下のようなTAB譜表記もできます

ギター・ベースの打ち込みの場合も、おそらく五線譜を読んだ方が速いと思います。(ギタリスト・ベーシストならTAB譜の方がわかりやすいですが、そもそもギタリストは打ち込む必要がないですね・・・)

ドラムの譜面は、五線譜っぽい見た目ですが、それぞれの音にタイコ・シンバルが割り当てられています。

④ 聞き返してみる

打ち込みや録音が完了したら、本来は「ミキシング」という作業をしますが、最初の1曲ならそこまで考える必要はないと思います。

完成した曲を聞き返してみて、どんな印象を受けるでしょうか?

プロの曲を真似ているわけなので、曲自体はかなりいい感じだと思います。逆に音色というか、演奏はちょっとショボいかもしれません。

何度も聞いているうちに、「ここが微妙・・・」という後悔や「もっとこうしたい!」という欲求が湧いてくるんじゃないかと思います。

もちろん今作った曲を直してもいいですが、個人的には、もう次の曲を打ち込み始めることをオススメします。

まとめ

この調子で最低3曲くらいはコピーすれば、かなり実力がつくはずです。

できるだけ雰囲気やジャンルの違う曲を選ぶことで、いろんなパターンを知ることができます。

それだけやれば、オリジナル曲を作るために必要な「基礎体力」みたいなものを養うには十分です。

大変だったかもしれませんが、ほとんど単純作業でしかないので、いきなり作曲からはじめて「自分には才能がないんだ・・・」と挫折するよりはマシだと思います。

それに、好きな曲をコピーしているのでモチベーションも保ちやすいです。

そういうわけで、僕のオススメする「DTM練習法」を紹介しました。