DTMをする上で、ギターの録音は非常に重要です。
なぜなら、いまだに「めちゃくちゃリアルな打ち込みギター音源」が存在しないからです。
つまりドラムやベースよりもまだまだ生録音の需要が多いわけです。
この記事ではエレキギターの録音のために必要なものと、機材を選ぶ際に気をつけるべきことを全部まとめて解説していきます。
ちなみに筆者の演奏したデモもあります。
おしゃれファンク風ギターソロ+バッキング
ジミヘンのLittle Wingのイントロ
実際の曲中で使うとこんな感じ。
この記事のコンテンツ
- マイク録りかライン録りか?
- アンシミュについて
- パソコン側で必要な機材
ギターの録音は・・・マイク録り?ライン録り?
まずはじめに、エレキギターを録音する方法はマイク録りとライン録りの2つがあります。
違いをざっくりいうと・・・
- マイク録り: アンプから実際に音を出して、それをマイクで録る。
お金・スキル・時間があればライン録りよりいい音で録れる(可能性がある) - ライン録り: ギターからオーディオインターフェイスに直接接続して録音する。
そのままだと「ペナペナ」な音だが、「アンプシミュレータ」でアンプの音を再現。
マイク録りよりコスパがはるかに高い。最近はライン録りでもかなり良い音が出る
今やアマチュアが個人で録音する上で、マイク録りをする利点はまずありません。
やってみるとわかりますが、マイク録りは単純に難しいし、めんどくさいです。
最近のアンシミュの出音はプロも認めてるし、実際に商業向けに使われるレベルで高音質です。
アンプシミュレータ
「ギターのライン録音」で一番大切なのはアンプシミュレータ(アンシミュ)です。
「パソコン側で必要な機材」「ギター側で必要な機材」についても後ほど書きますが、良い音を出したければ何よりもアンシミュにこだわるべきです。
アンシミュというのは、ライン録音した「素」のままのギターを、デジタル処理でアンプを通した音に加工してくれる機材です。
こんな感じのハードウェアタイプもありますし、DAW(録音ソフト)上でVSTプラグインとして動作するものもあります。
ハードとプラグインどっちにするべき?
Kemperなどのバカ高い機種は別として、〜10万円くらいのハードウェアのアンシミュで「使える」音が出るモノには出会ったことがありません。
それぞれの長所・短所こんな感じです。
プラグインの長所
- 音が良い(真空管っぽいニュアンスを出せるソフトが増えている)
- 後からいくらでも音を変えられる
- コスパが高い
プラグインの短所
- 録音時のレイテンシ(弾いた音が遅れて聞こえること)を短くしづらい
- たくさん立ち上げると負荷が大きい
ハードウェアの長所
- (パソコンのCPUパワーを使わなくても)レイテンシが少ない
- 作った音をライブでも使える
- リアルタイムで操作しやすい
ハードウェアの短所
- 音がプラグインよりもリアルじゃないことが多い
- 一度録音したら音を変えられない
- 大きいので場所をとる
少しでもレコーディングの経験がある人なら分かると思いますが、録音時に「良い!」と思ったテイクでも、家に帰って聞くと「なんだこのクソ音・・・」と落ち込むことはザラにあります。
限られた時間の中で「演奏+録音」をするわけなので、かなりのスキルが無ければ、その場で冷静な判断なんてできません。
でもプラグインなら、演奏にさえ集中すれば音質は後からいくらでも変えることができます。
つまり、ギターの音にこだわる人ほど、逆にシミュレータを使うべきなんです。
Biasを買っておけば間違いない
とにかく音の良いアンシミュ
一番のオススメはPostive GridのBiasです。
最大の特徴は何よりも音が良いこと。
これまでは「アンシミュも最近は音が良いよね(でも生アンプには絶対勝てないよね)」という感じだったんですが、Biasを弾いてみて「もうこれでいいじゃん」と衝撃をうけました。
冒頭にも貼りましたが、筆者の弾いたデモです。
おしゃれファンク風ギターソロ+バッキング
モデリングアンプ: 両サイドがTwin Reverbでソロがマーシャル
ジミヘンのLittle Wingのイントロ
モデリングアンプ: Twin Reverb
真空管アンプって弱く弾いたときと強く弾いたときの音が全く違うんですが、Biasはそれをかなり再現してくれます。(ギターのボリュームに対する反応は本物ほどではありませんが)。
Little Wingを聞いてもらえば納得してもらえると思います。
単音で弱く弾いているときはクリーンですが、強く弾いたり複音になると歪みが増えてますよね?
アンプ側ノブの反応も本物のアンプそっくりです。
マーシャルのGainノブはクリーンに近づける程ローが削れて「チャキチャキ」になり、歪ませるほど太くなっていきます。
Biasはその質感をリアルに表現してくれます。
また、フェンダー・ジャズコーラスどちらのクリーンも特徴を捉えた良い音です。
値段が安い
BIAS FXなら約1万で買えます。
はっきり言ってこれは破格です。
ただ「コスパが高い」だけじゃなくて、掛け値なしに「高音質」のアンシミュがこの値段です。
ほかのブランドも絶対「勝てるわけない」と思ってると思います。
どこで買うべきか?
海外製ソフトにありがちですが、購入できるルートはいくつかあります。
おトクに買える可能性が高いのがPluginBoutiqueです。
基本的に公式サイトと同じ値段ですが、約500円+音素材と交換できるポイントが付いてきます。
Biasを1個買うだけで数千円のサンプルやプリセットパックが手に入ります。
海外サイトでの購入に不安のある人はPayPalを使うといいと思います。
PayPalについてはこの記事に詳しく書きました。
一番手軽なのはamazonです。
いつもの買い物と同じように買えます。
英語は見るのもイヤとか、クレカやpaypalの支払いが不安といういう人はamazonでもいいでしょう。
ただ、すこし割高です。
公式サイトでも買えます。
特にプラスα要素はないですが、安心感は一番ありますね。
公式セール時にも必ず対応しています。
複数あるエディションがわかりづらい
Biasシリーズは3つ存在します。
- Bias Amp: アンプシミュレータのみ
- Bias FX: アンプ+エフェクター
- Bias Pedal: エフェクターのみ
「じゃあBias FXだけ買えばいいじゃん」と思うかもしれませんが、必ずしもそうじゃありません。
AmpとPedalは電子回路の中までイジることができる「おたく」仕様で、非常に細かい音作りが可能です。
また、それをFXを持ちこんで使うこともできます。
でも、基本的にはFXを買えば十分なのではないかと思います。
なんで「アンプ+エフェクタ」が「FX」になるんでしょうか?
ハードもある
Biasがすごいのはハードウェアとしても使えるということです。
けっこう値段は張りますが、自分で作成した専用のアンプやペダルをライブでも使うことができます。
他のアンシミュと比較
「Biasが最強」の結論は同じですが、以下の記事では他のアンシミュも紹介しています。
その他機材
「ライン録りの最重要要素」ということでアンシミュをまずは紹介しました。
でも、もちろん「ギター+ソフトアンシミュ」だけでは録音はできません。
録音のために必要なその他の機材についても紹介していきます。
パソコン本体
レコーディングをするために、パソコンにすごく高い性能が要るわけではありません。
ただ、良い音のするアンシミュやエフェクターは、どうしても重くなりがちです。
一概には言えませんが、CPUはi5以上、メモリは8GB以上あった方がいいでしょう。
DTM向けのパソコンの選び方については以下の記事をどうぞ。
オーディオインターフェイス
安すぎない機種を選ぼう
ギター録音に関しては、インターフェイスの質はマイク録りほど重要ではないです。
しかし、あまり安いものだとノイズやクリッピングなどのトラブルが起こるかもしれません。
私はローランドのUA-4FXを使っていましたが、ハムバッカーのリアで強く弾くとクリップしていました(入力レベルを最低にしてもダメでした・・・。ピックアップ高も調整済み)。
詳しくは以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。
DAW
上記のBiasやAmplitubeなどは、DAW(録音ソフト)の上でプラグインとして動作します。
つまりDAWは必須です。
最近のオーディオインターフェイスにはCubaseやAbleton Liveなどの機能制限版が付属していることもあるので、それを使うことも可能です。
ただ、より高音質の楽曲製作・レコーディングを目指すのなら、別で購入したほうが良いです。
DAWの選び方については以下の記事をどうぞ。
ギター本体
もちろん持っているギターを使えば良いんですが・・・。
「DTM向けに1本だけ選ぶなら何が最適なんだろう?」と考えてみた記事もあります。
まとめ
DTMでエレキギターを録音する際に必要な機材についてそれぞれ解説してみました。
参考にしていただけたらうれしいです!