こんにちは、サビガラです。
DTMで曲を作っていると、「音が薄い・ショボい」と思うことありませんか?
僕の場合はしょっちゅうあります。というか、常にコレを克服するために作業をしているような始末です。
いわゆる「作曲」というか、「メロディ&コード進行」の作成はまた別ですが、「アレンジ」「ミックス」の段階は、どれだけ曲に厚み・立体感・説得力をもたせられるかが大事ですよね。
そのためにできることは、以下の3つがメインになると思います。
- パートを増やす(縦の空間を埋める)
- フレーズを増やす(横の空間を埋める)
- EQ・コンプ・空間系などで加工
しかし、どれをやってもしっくりこない場合もあります。
例えば、新しいパートを追加してみても、どうしても浮いてしまうときもあります。かといってEQやコンプでは補いきれかったりします。
そういうときは「レイヤー」という手法を試してみると良いと思います。
レイヤーとは?
レイヤーの例
なによりも、まず「レイヤーするとどうなるのか?」ということからですね。
1つの例として、「レイヤー処理をする前のトラック」と「処理した後のトラック」を聞き比べてみてください。
ジャンルや他のパートとの兼ね合いもあるので一概には言えませんが、ぱっと聞いた感じでは、処理後の方が良い感じに聞こえるんじゃないでしょうか?
レイヤーの意味
辞書的にいえば、レイヤーとはこんな意味です。
転じて、DTMにおいては、「1つのMIDIデータで複数の音源を同時に鳴らす」という意味で使われることが多いです。
MIDIトラック2:サンプラーA(キックA) + サンプラーB(キックB)
トラック1では、シンセA とシンセBの両方が混ざった音が出力されます。
トラック2では、2つのキックのサンプルが混ざった音が出力されます。
聞いてもらった音源では、キックとスネアに別のサンプルをそれぞれレイヤーしました。
要するに、「既存トラックに(同じフレーズの)別の音色を重ねる」というのがレイヤーです。
その場合はMIDIのルーティングなどが必要になります。
いろんなレイヤー
ドラム
すでに聞いてもらいましたが、詳しく解説していきます。
もう一度レイヤーあり・なしの音を聴き比べてみましょう。
レイヤーなしでも別に悪くはないですが、以下のような印象を受けます。
- キックのアタック感が少ない
- スネアが薄っぺらい
逆にレイヤーありの音源は、これらを改善するべく、弱点を補うように別のサンプルを重ねてあります。
「レイヤーなし」で鳴らしてるサンプルはこんな感じ。
「レイヤーあり」で鳴らしてるサンプルはこんな感じ。
聞いてもらえれば分かるように、後から重ねているサンプルは、単体ではかなりショボいです。
しかし、それぞれ「キック:アタック」「スネア:胴鳴り」の成分の強いものを選んでいます。これらを混ぜることで、基本サンプルに欠けていた要素を補っているわけです。
シンセ
もちろん、レイヤーはドラム以外の楽器にも使えます。
次の例は、ノコギリ波シンセののコードパターンです。低音寄りと高音寄りでピッチ&音色を分けて、ちょうどいいバランスになるようにミックスしています。
ソフトシンセならいくらでも立ち上げられるので、2台をレイヤーしてしまえば、オシレータ4つ分の音作りができるわけですね。
シンセベース
最後にシンセベースです。
メインの音色でそれなりに満足なんですが、もう少し太さを足したい、ということで正弦波のサブベースを加えてみました。
レイヤーのやり方
レイヤーの効果がわかったところで、実際にやってみましょう。
といっても、やってることは「音を重ねるだけ」です。その目的さえ達成されればOKなので、色んなやり方が考えられます。
DAWの専用機能を使う
僕はAbleton Liveを使っていますが、このソフトは「ラック」という機能を使うことで、VSTインストゥルメントをいくらでも重ねることができます。
他のDAWでも似たようなことができる場合が多いので、これが1番ラクな方法だと思います。
MIDIルーティングをする
仮に専用機能がなくても、1つのMIDIトラックから複数のトラックに分配すれば同じことができます。
ルーティングはちょっと面倒だったり難しかったりするかもしれませんが、主要なDAWなら調べればできるはずです!がんばってください!
別トラックを作る
単純にMIDIトラックをコピーして、別の音源に差し替えてしまうのも1つの手です。
曲の展開によってレイヤーを解除したりする場合は、こっちの方が視覚的にわかりやすくていいかもしれないですね。
まとめ
ちょっと変化の地味なデモが多かったかもしれませんが、やろうと思えば全く違う音色を重ねることもできます。
例えば、エッジの効いたノコギリ波シンセにエレピを重ねれば、一気に空間を埋めることもできます。
「あんまりアレンジを変えたくない・・・」「でも音に厚みが欲しい・・・」
レイヤーはそんなときに使えるテクニックです。