「この○○がすごい!」といえるアルバムを紹介するシリーズです。
今回はギターです。
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Beware of the Dog / Hound Dog Tayler
ハウンドドッグ・テイラーというブルースマンです。
ブルースというと「しめっぽい」とか「ダルい」「眠くなる」みたいな印象があるかもしれませんが、実は「鮮烈」なものも多いんですよね。
激しく歪ませたアンプ + ボトルネック(=スライドバー)から繰り出される、脳ミソを切り裂くようなディストーションギターが特徴です。
彼は左手の指が6本ありますが、スライド主体なので演奏にはあんまり関係なさそうですね・・・。
このアルバムはブルースおたくの兄から薦められたもので、確かにハウンドドッグのアルバムの中でも生々しさが際立っています。
サンボマスターは君に語りかける / サンボマスター
https://youtu.be/rNXaO_6kBIA
サンボマスターはストレートなロックだけでなく、ファンキーでソウルフルな演奏も得意です。
この曲は、音を聞く限り、レスポールスペシャルのミックスポジション(フロント+リア)を中心に使っているようですね。
レスポールスペシャルに搭載されているP90というピックアップは、ストラトなどの普通のシングルコイルとは違い、やはり少し太くて独特な音がします。
膨らんだ中音域のせいで、カッティングなどのコードワークの際は、爽やかさにかけた「泥臭い」フィーリングがあります。
しかしそれがサンボマスターの「熱さ」とマッチしていい感じの雰囲気に仕上がっていますね。
ギターソロでも、そこまで歪ませず「ペナペナ」した音でここまでガッツリ弾けるのは流石の一言です。
Prince / Prince
プリンスはボーカルだけでなく、どんな楽器も弾いてしまうマルチプレイヤーとしても有名です。
特にギターはライブでもよく演奏しています。
この次に紹介する伝説的ギタリスト、Jimi Hendrixすら彷彿とさせるプレイです。
しかしここで紹介するファーストアルバムでは、シンプルながら強烈なグルーブ感のあるカッティングがメインです。
上で採り上げたサンボマスターのカッティングとは対照的に、アタック感に焦点を絞った「洗練」されたギターサウンドですね。
特に1曲目の「I Wanna Be Your Lover」のリズム・セクションは完璧と言ってもいいほど「研ぎ澄まされて」います。
Winterland / Jimi Hendrix
ジミ・ヘンドリクス(通称ジミヘン)は一種の「教祖」的ギタリストですね。
一部では「過大評価」という声も根強く挙がっているようですね・・・。
しかし、少なくとも「ファズ + ユニヴァイブ + ストラトキャスター」から繰り出されるサイケな音色が、革命的であったことには間違いありません。
個人的に、ジミヘンを初めて聞くのならスタジオ盤よりライブ盤の方がオススメです。
なぜなら、スタジオ盤は曲によっては(特にイヤフォンでは)聞きづらいエフェクトや編集がかかっていることがあるからです。
それに、ジミヘンのギターの魅力を味わうにはライブの方が生々しくて適しています。
ジミヘンはライブ録音がたくさんあるのでどれを聞くべきか迷うと思いますが、まずは「Winterland」をオススメします。
このアルバムは他のライブ盤よりも音が良いし、演奏も冴えています。
また、ボブ・ディランやクリームのカバー曲も収録されているので、知っている人には面白いかもしれません。
しかし、かぶっている曲も多いので、11曲に圧縮された1枚組バージョンの方が聞きやすいはずです。
II / Led Zeppelin
ジミヘンと並んで「過大評価」と言われがちなジミー・ペイジのバンドです。
確かにジミヘンもジミー・ペイジも、「テクニック」という意味ではそれほどではないかもしれません。
しかし、どちらも「ツボ」をついた良いフレーズや演奏をしてくれるんですよね。
彼のギターを聞くならやっぱりセカンドアルバムの「II」がオススメです。
ジミー・ペイジと言えば「天国への階段」のギターソロが有名ですが、その他にも「コレだよコレ!」という感じのギターソロをたくさん聞かせてくれます。
でもソロしか能がないわけじゃなく、作曲やアレンジ全般が非常に上手くてセンスがいいんですよね。
「速く上手く」弾けばリスナーの心をつかめるわけじゃないはずです。
ジミー・ペイジは人の心に響く演奏ができる優れたギタリストだと思いますよ。
Live in Paris / Tchavolo Schmitt
チャボロ・シュミットはジプシージャズ系のギタリストです。
ジプシージャズの「元祖」であるジャンゴ・ラインハルトの「後継者」なんて言われることもあるみたいですね。
この人はとにかくテクニックもすごいですし、人を楽しませるパフォーマンスの才能がありますね。
(パリの街角で聴衆に囲まれている姿が目に浮かぶようです)
ジャズというと小難しい印象もあるかもしれませんが、彼の演奏はかなりポップというか聞きやすいので、ジャズを敬遠しがちな人にも一度聞いてみてほしいですね。
Poll Winners III / バーニー・ケッセル
こちらは「いわゆるジャズ」といった感じのジャズです。
といっても、例えばウェス・モンゴメリーのような「野太い」ギターサウンドではなく、軽快で都会的な、洗練されたジャズギターです。
地味と言えば確かに地味です。
でも彼のギターの爽やかなトーンは、他のジャズギターとは一味違って趣があります。
(ピックアップも、チャーリー・クリスチャンモデルと呼ばれるシングルコイルのものを使っているみたいですね)
まとめ
筆者自身がギタリストなので、他の楽器の記事よりも内容が濃かったんじゃないでしょうか(笑)
ぜひ聞いてみてください。