ギターのリフィニッシュ(再塗装)をしてみました。
もともとブラックだったストラトをクリーム系の色にしました。
1年で見事に傷だらけです。
でも見た目は悪くないので個人的には満足しています。
リフィニッシュの手順としては以下の通りです。
- 元の塗装を剥がす
- 木地をペーパーで整える
- ウッドシーラーを吹く
- サンディングシーラーを塗る
- ペーパーで整える
- 缶スプレーで色を何度も吹く→乾かす
- 缶スプレーでクリアを何度も吹く→乾かす
- ペーパーで整える
- コンパウンドでツヤを出す
元の塗装を剥がす
塗る前に、まずはもともとの塗装を剥がさなければいけません。
「へら」でもいいですが、「スクレーパー」といったほうがプロっぽいかもしれません。
これでギターの塗装をガリガリ削っていくんですが、そのままではポリ塗装の頑丈さには太刀打ちできません。
そこで、アイロンで2-3分ほど温めることで多少はラクに剥がすことができます。
ただ、このギターの塗装はかなりしつこかったです。
古いからなのわかりませんが、塗料(下地じゃなくて色)が木地に染み込んでしまっているところもあり、無理に剥がすと木の肌ごとエグれてしまいます。
そういうところはしょうがないので、ペーパーで地道に剥がしました。
完璧に剥がし終えるまで10時間くらい?作業していたと思います。
木地を整える
塗装を剥がしたら、次は塗装に向けて木の肌をしっかりと平面にしないといけません。
前の行程がスムーズに行った人は問題ないかもしれませんが、剥がす過程でついた傷なんかもあると思います。
そういう場合はパテで埋めましょう。
(シースルー塗装だと結局バレますが・・・)
そして、一応400番くらいのペーパーで軽く整えます。
ウッドシーラーを吹く
塗料が木に吸い込まれるのを防ぐために、最初の下地としてウッドシーラー(プライマー)を吹きます。
どれくらい吹けばいいのかよくわかりませんが、僕はとりあえず1本まるまる使いました。
そして1日乾燥させます。
フェンダー系のデタッチャブルネックだったら、こんな感じに木片をネジ止めしておくと塗装工程では便利です。
サンディングシーラーを塗る
サンディングシーラーがメインの(?)下地という感じです。
これはウッドシーラーと違って「刷毛(ハケ)」で塗るタイプの塗料です。
できるだけムラなく塗れるに越したことはないですが、どうせあとでサンディング(ヤスリがけ)するので、がっつり塗ってもいいでしょう。
僕はコテコテに4回ほど塗り重ねました。
もちろん1回塗るごとにちゃんと乾燥させる必要があります。
ペーパーで整える
サンディングシーラーは刷毛塗りだったので、かなり凸凹があると思います。
そういうところはペーパーでしっかり平らにしておきましょう。
400番くらいまで磨けば十分です。
缶スプレーで塗る
いよいよ本番です。
でもその前に、「どういう塗料を使うべきか」ということが問題になります。
塗料の選び方
わざわざ自分でリフィニッシュしたがる「おたく」なら、多分ラッカーでいいと思います。
(ですよね?)
僕が使ったのはアサヒペンのラッカースプレーです。
カラーもクリアも、これの420mlバージョンを2本まるまる吹きました。
ラッカースプレーは他にもたくさんありますが、どこかで「アサヒペンのラッカーは塗膜が硬くてギター向き」と書いてあったのを読んで決めました。
以前別のギター(ジャンク)を塗り替えた時に使ったスプレーはなんだが「べとっ」とした感じで、微妙だったんですよね。
実際、このアサヒペンのラッカーは結構いい感じに固まってくれます。
あと、もちろん色も重要です。
個人的にはもう少し「黄色っぽいクリーム色」を期待していたんですが、アサヒペンの「アイボリー」は思ったより「白っぽい」色でした。
ラッカーなのですぐ黄ばむと思って、そのまま塗り続けましたが・・・。
塗り方
外でやらないと死にます。
うちにはベランダがあるのでそこでやりました。
アパート暮らしだと場所には困ると思います・・・。
近所の公園とか道路でやりますか?
場所さえ確保したら、あとは根気よく塗りまくるだけです。
「ムラが・・・」とか「液垂れが・・・」とかは、そこまで気にしなくてもなんとかなります。
むしろ、あんまり繊細に塗ろうとすると全然分厚く塗れません。
最終的にある程度ツヤを出そうとするのなら、一定以上の塗膜の厚さが無いと、磨いている最中にあっという間に木肌が出てしまいます。
個人的には、スプレーは420mlを3本ずつ塗ってもいいくらいだったと思います。
塗装が終わった後は1週間ほど乾燥させます。
ペーパー・コンパウンドで磨く
1週間くらい乾燥させたら、やっと最終の仕上げに入ります。
塗っただけの状態だと、上の写真のように「ザラザラ」してるし、ツヤがないです。
光沢感を出して「それっぽく」するためには、1.耐水ペーパー 2.コンパウンドの順で地道に磨き上げる必要があります。
耐水ペーパーの1000-2000番くらいを少しずつ細かくしながら、ひたすら磨きました。
石鹸水で水研ぎをすると良いようです(何がどう良いのかはよくわかりませんが・・・)。
コンパウンドは、家にあったクルマ用のものを使いました。
amazonのレビューにも「長年ギターの仕上げに使っています」とあるので、別に問題ないんじゃないでしょうか。
これを着古したTシャツにまぶしてとにかく擦ります。
本当は電動ドリルに付けるアタッチメントがあると便利ですが、僕は手動でやりました。
ひたすらこすり続けて、「まあこれでいいか・・・」と思ったところで作業は完了です。
お疲れ様でした。たぶん超納得の仕上がりではないと思いますが、素人仕事なんてそんなものです。
注意点
素人がラッカー塗装で「分厚く」塗るのは結構たいへんで、相当時間をかけないと意外と薄く仕上がってしまいます。
ですので、「ピカピカにしよう!」と思ってガシガシ削っていると、あっという間に木肌が出ます(特にエッジの部分)。
「艶ありで」「薄く」というのは結構むずかしいわけです。
なにが言いたいかというと、自己流リフィニッシュにそこまで情熱をかけるつもりがないのなら、最初からある程度の妥協をするつもりで望んだほうがいいということです。
上の工程を見てもらえばわかると思いますが、リフィニッシュはめちゃくちゃ時間がかかるし、手も疲れます。
完璧にやろうとするとかえってイヤになってしまうし、多分狙い通りにうまくはいかないです。
ですので、「ボチボチ満足!」といえる程度を狙ってうまく作業しましょう。
まとめ
めちゃくちゃ疲れました。
もう二度とやりたくありません。
音は変わったか?
いや別に変わらないじゃないですかね・・・。