【2019年版】おすすめモニターヘッドフォン6選【DTM】

本当はスピーカーをガンガン鳴らせるといいんですが、日本の住宅環境だとヘッドフォンに頼る機会が多くなると思います。

この記事では「DTMで使うモニターヘッドフォンの選び方」と「おすすめ機種6つ」を紹介していきます。

モニターヘッドフォンの選び方

「モニター」ってなに?

「DTM向け」とか「モニター向け」とはよく言いますが、実は明確な区別があるわけではありません。

むしろ、

「こういう傾向・タイプのヘッドフォンをモニターヘッドフォンとしてよく使いますよ」

といった「緩やか」な分類だと思っておいたほうがいいです。

言い換えれば、どんなヘッドフォンでも「モニター」として使うことは可能ということ。

では、具体的にどんな傾向のヘッドフォンが「モニター」としてよく使用されるのでしょうか?

  • 全音域がまんべんなく聞こえる
  • 定位(パン)が正確
  • 耐久性が高い

「良い音は良く、悪い音は悪く」

一言で言えばそんなヘッドフォンが「モニター」向けとしてよく使用されています。

なぜでしょうか?

仮に「どんな音楽でも良く聞こえるヘッドフォン」があるとします。

もしそんなヘッドフォンで曲を作ってたら、どんな酷い音を鳴らしていても気づかないですよね。

リスナー全員がそんなヘッドフォンで聞いてくれるわけじゃないので、最終的な「お客さん」には「酷い音」が届いてしまいます。

そういう事態を避けるため、DTMにはとにかく「現実を直視」させてくれるヘッドフォンが求められるわけです。

「密閉型・開放型」ってなに?

モニターヘッドフォンに限らないですが、ヘッドフォンには大きくわけて「密閉型」と「開放型」があります。

違いは、単純にいえば「音漏れが少ないか多いか」という点です。

名前からもわかる通り、もちろん「密閉型」のほうが「音漏れが少ない」です。

「音漏れが多くて良いことなんてあるの?」

と思うかもしれませんが、「開放型」にもちゃんと利点があります。

密閉型の特徴

密閉型じゃないとダメ

というシチュエーションは、やっぱりレコーディングですね。

マイクを使用して録音する場合、ヘッドフォンからの音漏れがノイズとして収録されてしまうことがあります。

これは、特にボーカルをコンデンサマイクで録音する際にはかなり問題です。

ボーカルレコーディングの光景はテレビなんかでも良く見ますが、ボーカルの人が着けているヘッドフォンはまず確実に密閉型のはずです。

このように「遮音性」は密閉型の大きな利点です。しかし、その「音を漏らさない構造」が時に音質的に不利になることもあり得ます。

その場合、次に説明する「開放型」 の出番になります。

開放型の特徴

開放型のメリットは、音がハウジング内にこもらないため音の抜けがよく、広い音場感が出せることにあります。
また伸びのある高音も出やすい構造でもあります。さらにハウジングが密閉型に比べて軽いので装着感も軽快です。

DENON公式ブログ

音響メーカーのデノンも書いているとおり、「開放型」の方が良い音が出せる場合があります。

しかしこの辺は好みもあると思いますし、「密閉型」と「開放型」のどちらの音が良いとは一概には言えません。

ちなみに、引用中に触れられている「装着感」も実はかなり重要な要素です。

これはふだん使いでも同じですが、ヘッドフォンは長く着けているとかなり疲れます。

ましてや、集中して音楽制作ともなると、できるだけ軽いヘッドフォンを使った方が明らかに楽です。

結局どっちにするべきか

使う用途・環境を考えて、合っている方にしましょう。

レコーディングをするのなら密閉型が必要ですし、逆に静かな部屋でミキシングに使うだけなら開放型の方がいいかもしれません。

もちろん使い分けられるのが一番いいですが、汎用性を考えるなら、まずは密閉型を1つ買うのが無難かもしれませんね。

選べるモデルも密閉型の方が多い印象です(なのでこの記事も密閉型率が高いです)。

おすすめモニターヘッドフォン

ここからは、DTMやスタジオでよく使用される機種を紹介していきます。

Sony / MDR-CD900ST

日本なら、これが置いてないスタジオは存在しないのではないでしょうか?

完全プロ仕様の製品であり、もともとは一般向けには販売されていなかったようです。

とにかく「解像度の高い」音質で、特にレコーディングのモニター時に威力を発揮します。細かいミスやノイズまでしっかりと再生されるため、完璧さが求められる状況にも対応できます。

ただ、個人がDTMに使用する際、「録音からミックス・マスタリングまで」汎用的に使えるかというと、微妙だと思います。

「低音が足りない」「シャリシャリしてる」などとよく言われるように、必ずしも「フラット」な音質ではありません。

同じSonyだったら、以下の「MDR-7506」の方がバランス良く多用途に使えます。

Sony / MDR-7506

上の「MDR-CD900ST」と比べると、もう少し汎用性の高い音質のヘッドフォンです。

海外ではむしろこっちの方がよく使われているようですね。

どちらもつけ心地は同じはずなのでこちらに書きますが、装着感はわりと軽くて疲れづらいと感じます。

audio technica / ATH-M50x

こちらの機種はアメリカで非常に人気があります。

アメリカ版amazonで検索してみたところ、なんとレビューが5000件以上もありました。

しかも「☆5」が約8割です。

音質的には、MDR-CD900STと比べると低音が聞き取りやすく、高域も適度に削れて聞きやすいです。

YAMAHA / HPH-MT8

YAMAHAというとモニター「スピーカー」が有名ですが、ヘッドフォンも定評があります。

HPH-MT220の後継機扱いではありますが、この機種としては2016年発売なのでかなり新しいモデルですね。

最新機種らしく、細かい配慮も利いています。

たとえば、ケーブルが着脱式なのでリケーブルが可能だったり、コンパクトに折りたためたりします。

「プロ仕様」と言っていつまでも安定性を志向するのもいいですが、ユーザビリティもありがたいですよね。

AKG / K240S

こちらはセミオープン(開放)のモデルとなっており、密閉型と開放型の中間の性格をもっています。

(どこから「セミ」でどこから「フル」なのかはよくわかりませんが・・・)

なんにせよ、やはり開放系のヘッドフォンは、スピーカーに近い自然な定位感・距離感が魅力です。

「自宅で、スピーカーはガンガン鳴らせないけど、ヘッドフォンの音漏れくらいなら大丈夫」

という人は開放型の方がいいかもしれませんね。

beyerdynamic / DT990PRO

これも「開放型」の機種です。

「ローがしっかり出る」ことに定評があり、「ドンシャリ」と呼ばれることもあるようですね。

もちろん冒頭でも書いたとおり、「フラット」であることはモニターとしては必要な条件です。

しかし、「フラットとは何か」と言われると、実のところ人によってバラバラだったりするのも事実です・・・(ジャンルよっても必要な音域は違いますしね)。

もちろん過度な色付けは良くありません。でも、店頭で実際に「自分が確認したい音域」が出ているかチェックして、納得できるものを選んだ方がいいです。

まとめ

「モニターとは?」という説明から、実際のおすすめ機種の紹介までさせていただきました。

モニターヘッドフォン選びの参考になればうれしいです!