世の中にはおびたたしい数のエフェクターがあふれていますが、初心者がバンドをやる上で、「色んな曲をコピーするのにとりあえず必要」なのは以下のとおりです。
- チューナー
- メインの歪み系
- ブースター
- ディレイ
- コーラス
もちろんエフェクターなんて必要ない曲もありますし、もっと変な機材がたくさん必要な曲もあります。
でも、上記のエフェクターを持っていれば、世の中の8割くらいの曲はカバーできると思います。
それぞれどんなエフェクターなのか、1つずつ見ていきましょう!
チューナー
いきなりエフェクターではなくて申し訳ありません・・・。
ただ、いまクリップチューナーなんかを使っている人も、ライブをやるならできればエフェクター型のチューナーを買った方がいいです。
クリップチューナーは基本的に精度が低いですし、小さいのでわりと失くしがちです。
エフェクター型のチューナーなら、ケーブル経由なので精度・信頼性ばつぐんです。
ただ、古い機種なんかだと音質劣化がひどかったりするので、できるだけ最新機種にしておいたほうがいいです。
Korg / Pitchblack Advance PB-AD
1万円以内だったら、KorgのPitchblackがおすすめです。
高精度+トゥルーバイパスなのに、値段は他の同価格帯より安いです。
コスパで言ったら最強です。
KorgにはDT-10という機種もありますが、生産が1度終了しており、現在(2019年3月)は限定再生産で売られているようです。
DT-10の見た目が好きすぎるというわけでもないなら、Pitchblackにしたほうがいいでしょう。
TC-Electronic / Polytune 3
筆者の周りでは、チューナーは上記のPitchblackか、このPolytuneのどちらかを使っている人が多いです。
「Poly」とは「複数」という意味で、すべての弦をじゃら〜んと鳴らしてチューニングできる優れものです。
メーターの表示速度の速さにも定評があります。
高機能な分、Pitchblackよりは少し高いです。
メインの歪み系
もちろん「メインの歪み系」というエフェクターがあるわけではなく、自分の好みで1つ選びましょうということです。
「歪み系」といっても、かなりいろんな種類の「歪み」があります。
- オーバードライブ
- ディストーション
- ファズ
歪み系は伝統的にこの3種類に分けられることが多いです。
どのエフェクターを選ぶにせよ、1つ「メイン」になる歪み系を持っておきましょう。
ほぼ歪まないアンプを使わざるを得ない場面も多いですし、必ず1つは必要です。
上記の3種類の中なら、基本的には「オーバードライブ」か「ディストーション」と呼ばれるエフェクターを選びましょう。
ファズは回路的に特殊なことが多いので、この記事で紹介する構成には向いていません。
逆に、「オーバードライブ」と「ディストーション」にはハッキリとした区別はありません。
しいていえば、こんな感じでしょうか。
ディストーション: 歪みが強い。ジャリジャリしている。
「メイン」のエフェクターは両者の中間くらいの音質のモノが扱いやすいと思います。
いわゆる王道の「オーバードライブ」と呼ばれるエフェクターは、音が柔らかい=こもりがちだったりするので、メインとしては使いづらい場合があります。
逆に、ゴリゴリの「ディストーション」エフェクターは、歪みが激しすぎて使い勝手が悪いです。
なので、ここではハッキリと「オーバードライブだ!」「ディストーションだ!」と言えない感じのモデルを紹介します。
Fulltone / OCD
OCDはかなり人気の高いエフェクターで、ネット上にもレビューや試奏動画がたくさん上がっています。
かなり幅広く音色を変えられるのが特徴です。
音のキャラクターを「激しい・クリーン寄り」で切り替えるスイッチがついているので、これ1台でいろんな曲に対応できます。
Boss/ BD-2
これも定番のエフェクターです。
OCDほど音のバリエーションは多くありませんが、歪みの幅がかなり広く、音色自体も汎用性が高いです。
「暴れ馬」みたいなことを言う人もいますが、筆者は全くそう思いません。
低域・中域に寄りすぎているとバンドの中で抜けてきませんし、いろんな曲に対応する上ではこれくらいがちょうどいいと思います。
ブースター
「メインの歪み」は、ギターの基本的な音色を作るために使います。
「ブースター」は、ギターソロなどのときに音量を上げ、聞こえやすくするためのものです。
「ブースター」はエフェクターの名前ではなく、歪み系エフェクターを使うときの「用途」のことです。
なので「オーバードライブをブースターとして使う」なんて言ったりします。
別に「メインの歪み」と同じエフェクターをもう1台買って、それをブースターとして使っても構いません。
でも、「どちらかというとブースター向き」といったエフェクターも存在するので、そっちを試してみるのがいいでしょう。
- ちゃんと音量を上げられる
- 音が伸びる
「ちゃんと音量を上げられる」というのはブースターの必須条件です。機種によっては「歪むけど、ツマミを上げても音量があまり変わらない」というものもあります。
「音が伸びる」は好みかもしれません。
ただ「ペナペナ」な音色でギターソロを弾くのは、特に初心者にとってはかなり心細いです。なので、以下のような、ある程度「それっぽく」してくれる機種がオススメです。
Ibanez / TS9
「ブースターといえばコレ」というくらい王道の機種です。
音色はかなり柔らかく、とにかく音を伸ばしてくれる感じです。
ただ、この機種の音がめちゃくちゃ良いかというと、実はそうでもないです。
じゃあ何故すすめるかというと、スタンダードだからです。
エフェクター界に「TS系」という1ジャンルが存在するほど、TS9の影響力は大きいです。
ネット上の情報なんかも「本家」であるTS9が比較対象になっていることが多いので、とりあえず持っておいて損はないはずです。
Electro-harmonix / Soul Food
TS9の発売が1970年代(正確にはその前モデル)なのに対し、Soul Foodは2014年発売なのでかなり新しいです。
これもブースターとして定評のあるモデルです。
Centaurという数十万円もするエフェクターの回路をパクっているだけあり、音質はかなり優れています。
値段も手頃なのでおすすめです。
ディレイ
ディレイとは、簡単にいうと「やまびこ」みたいなエフェクターです。
ここでいきなり話が飛びますが、聞いてください。
世の中には色んなエフェクターがあり、バンドの録音にもかなり多用されています。
でも、自分たちで曲をコピーする上で、音源と完全に同じ音色にする必要なんてないし、そもそもムリですよね。
ただ1つ例外として、ディレイは「やまびこ」を返すエフェクターなので、その「やまびこ」がフレーズの一部として使われる場合があります。
しかも、特に最近のバンドなんかだとそれが結構多いです。なので、「この曲をバンドでやりたいけど、ディレイを持ってないからできない!」なんてこともあります。
それに加えて、ディレイは「リバーブ」みたいに使えたり、かなり多用途なエフェクターです。
なのでとりあえず1台買っておきましょう。
Boss / DD-7
歪み系と違って、ディレイは「音質」だけでなく「機能」もかなり重要です。
例えば、「ギターを弾いてやまびこが返ってくるまでの時間」をディレイタイムと言いますが、これがある程度長く設定できないと弾きたいフレーズが弾けなかったりします。
他にもいろいろありますが、このDD-7なら、初心者の方にはとりあえず十分な機能があります。
ガチでディレイを使っていくには多少物足りなくなる可能性はありますが、そのときはそのときで考えればいいと思います。
TC-electronic / Flashback 2
こちらも機能的・価格的に同じくらいの機種ですが、選べる音色の幅が広いです。
あと、意外と重要なのはスイッチの差ですね。
Bossは見ての通り、「ペダル」を踏むのようにスイッチを切り替えられますが、Flashbackはスイッチを直接押す感じになります。
コーラス
コーラスは入れるか悩みましたが、あったほうがいいかなという感じです。
「必須」は言い過ぎでも、ギターの音をバンドになじませるために効果的なことが多いです。
Boss / CH-1
またしてもBossですが、それだけBossの「定番」さがすごいということですね・・・。
他のコーラスと比べると、CH-1はちょっと「あっさり」した風味です。
つまり、そこまで深くエフェクトがかからないので、クリーントーンに少しだけ味付けをするくらいの用途に向いています。
MXR / M234
CH-1と比べるともう少し「エグく」かけることができます(もちろん薄くもできます)。
曲によってはコーラスをかなり深くかけている場合もあるので、そういう曲まで対応したい場合はこちらの方がいいと思います。
まとめ
「メインの歪み」「ブースター」「ディレイ」「コーラス」
この記事で紹介した以上4つのエフェクターを持っていれば、大抵の曲には対応できるはずです!
あまり機材選びに悩みすぎず、ちゃんと練習に時間を割きましょう!