速く曲を作る方法:「聞いてるだけ」の時間を減らす

こんにちは、サビガラです。

個人的に、DTMをやっていて一番ツライのは「なかなか曲が完成しないこと」です。

僕は現在フリーランスとして作曲したりプログラミングしたりして生活しています。なので作曲に集中している時期は、毎日10時間以上はDTMに費やしています。

それでも1曲あたり、完パケまで2週間か3週間くらいは平気でかかってしまうんですよね・・・。

「1曲に2週間」が長過ぎるとは思わないですが、短縮できるのならそうしたいです。「非効率的」な時間の使い方をやめれば、スピードは上がるはず

というわけで、この記事では「作曲スピードを向上させるためにはどうすればいいか?」を考えていきたいと思います。

先に結論から言ってしまえば、以下の通りです。

速く曲を作りたければ、「聞いてるだけの時間」をできるだけ減らそう!

最近はこれを意識して作曲しており、ある程度ムダな時間を減らせているかなと思っています。

「聞いてるだけの時間」とは?

「聞いてるだけの時間」イコール「打ち込みや録音をしていない時間」です。

つまり、すでに完成していたり、あるいはたった今打ち込んだばかりの箇所を、何度も聞き返している時間のことです。

目安としては、何も手を加えないまま5回以上再生していたら「聞いているだけ」になると思います。

なぜ「聞いてるだけの時間」を減らすべきか?

人間の耳はマヒするから

もちろん、作ったフレーズや音色の良し悪しは、聞かないことにはわかりません。

しかし、ひたすら聞き続ければ、それだけ正確に判断できるようになるわけではないです。むしろ、何度も聞き返すと耳がマヒしてしまうので、逆効果になることの方が多いです。

「マヒ」よりも「慣れてしまう」と言ったほうがわかりやすいかもしれません。冷静に聞けば「ちょっと変かな?」というフレーズでも、何度も繰り返して聞くうちに「そういうもの」に思えてくることはよくあります。

自分の曲を一番客観的に聞けるのは、ひさしぶりの最初の1回

これは、ごく単純に真理だと思います。

DTMに限らず、イラストなどの創作をやっている人は、次のような経験をしたことが絶対にあるはずです。

作品が完成したので公開
→ 1週間が経過
→ ひさしぶりに聞いて(見て)みる
→ 絶望

この絶望は、1週間のブランクを空けたことで生まれた、残酷なまでの客観性に由来します。

創作に熱中しているあいだは客観性が「マヒ」しているので、自分の作品が現実より優れて見えます。これは、特に創作中に他人の作品に触れて、比べていない場合に致命的だったりします。

ここで1つの結論ですが、「作曲中の自分の感覚を信じるな」ということになります。経験を積むことである程度制御できるとはいえ、人間である以上は「マヒ」から逃れられないからです。

どうやって「聞かずに」作曲するか?

しかし当然ながら、音を聞かずにDTMはできません。

その上で、できるだけ無駄な「聞いてるだけ」を減らすためには、次のようにするのが良いと思います。

とにかく作り続ける。
良いか悪いかの判断は、時間を置いて後でやる。

要するに、「クオリティ度外視でとにかくアイデアを出す」「そのアイデアを採用するかどうかは、客観的になれるだけの時間を置いてから判断する」ということです。

例えば、Aパートに乗せるピアノを作ったら、何度も聞き返さずに、すぐさまBパートのギターに取りかかるということです。

これを何度か繰り返してから、ようやくAのピアノを聞いてみます。全く別の作業をしていたので、そのころにはかなり客観的な判断ができるようになっているはずです。

実際にやってみた

最新曲(未公開)では、上記のことを意識して作ってみました。

実際に取り組んでみると、やっぱり合理的なやり方だと実感します。

どれくらい時間が節約できたかは計測のしようもないですが、「不毛な時間」を過ごしてしまうことが少なくなったように思います。

今までは・・・

今までは、フレーズを1つ作るたびに何度も聞き返しては、「これで良いんだろうか・・・?」「もっと良くなるのでは・・・?」とぐるぐる低徊している時間がけっこうありました。

しかも、仮にそのウダウダの結論が「よし完璧!」だったとしても、その判断は次の日には覆っていました。「マヒ」して客観性を欠いた耳では、どれだけ時間をかけてもやっぱり無意味でした。

「聞いてるだけ」を減らすと・・・

この記事で紹介したやり方で作曲すると、上記のようなムダな時間はかなり減りました。

どうせ客観性の無い判断しかできない」ことが分かっていると、新しいフレーズや音作りに集中できます。もちろん「明らかに悪い音」は即座に消してしまいますが、「これは良いんだろうか、悪いんだろうか」といった、時間のかかる判断は保留できます。

こうすることで、多少は気持ちに余裕ができる、という効果もあります。常に追い詰められているような作業の仕方だと、やっぱりめちゃくちゃ疲れます。「完璧まで追い込んだはずの箇所が、翌日聞くと微妙」というのは精神衛生上悪いです。

まとめ

アレンジやミックスまで含めると、DTMには考えることが大量にあります

なので、長期的・合理的な視点を持って、無駄なく作業していくことが、全体としての時間短縮につながると思います。

「何度も聞いていても判断力が鈍るだけ」という一種の「諦め」を行うことで、ムダな時間を短縮できる、というお話でした。